製菓原料の卸と、地場産業である半生菓子の移出で、歴史を刻んだ外松は、近年は自社企画商品の開発育成に力を注いでいる。
今秋11月から案内をかけ出した『まるで桃ゼリー』(写真、155g、参考小売価格350円前後・税別)は、国産の桃の果汁を使い、商品名の通り〝まるで桃〟そのものの味わいを楽しむ果汁ゼリー。来春からの売場定着を目指している。
半生菓子といえば、量と価格が求められるカテゴリーであったが、近年の外松の指針は「適量」「適価」。さらに需要者の高齢化から、若年世代が手を伸ばしやすい、半生菓子の新しい形や魅力の創出である。因みに、近年の好調なシリーズ『おやつ茶屋』(小粒大福のミックス)はその一例だ。
この度の新製品『まるで桃ゼリー』は、3年ほど前に発売され、一部CVSで定着している『ジュレアソート』の単一商品。フランスの伝統菓子であるパート・ド・フリュイをベースに、製品化されたゼリー(ジュレ)から「桃」にフォーカスし、国産の桃100%使用にこだわって完成させたものだ。
「今回の新製品は当初、長野県産の桃を使うというコンセプトだったが、引き合いが想定以上に良かったため、長野県産果汁を使い切れば、他県産も使わざるを得ないという事情から、パッケージに〝国産果汁100%〟と表記した」と、同社は忸怩たる内心を明かす。果物王国の長野県人のこだわりである。
本品は、桃100%使用の濃縮果汁を、同社製品比で3.8倍、生果汁換算で10.6%という配合だ。果汁感と味わいに自信がある。だから〝まるで…〟と名付けたのである。
20㍉角のゼリーはもっちりとした歯応え。先口で自然な桃の酸味を感じ、中口から上品な甘みが口内に満ちてくる。しっかりとした噛み心地で、食べ応えと充足感をも味わえる製品だ。