2023菓子卸MD特集 関口

コスト削減と商品の質と価格のバランスを重視

 同社は、新型コロナ禍の影響と消費者の動向に対応するため、変化するニーズに柔軟に対応し、コストの削減、商品の品質と価格のバランスを重視する戦略を打ち出す。特に、観光や催事、人流に絡んだイベントの復活により、駄菓子や袋詰め、パーティパック、行楽用お菓子などが好調な動きを見せており、同社はこの流れを重視している。

 一方、経済的な不安定感や物価上昇による消費環境の厳しさもあると指摘し、「お客様がお求めやすい商品の提案が重要だ。価格の引き上げをしていくことは大切だが、価格と品質、量目のバランスが取れた商品を引き続き提案していきたい」(関口快太郎社長)。

 

 

2023秋見本市(本社)

 物流面では、2024年問題に対処するため、物流拠点の効率化を図るための取り組みを進めている。得意先への納品において大きな変更はしていないが、社内で積み込み待ちの時間を無くすために物流の稼働時間を変更するような対策を始めた。

 商品の値上げに対する対応では、同社はメーカーとの協力関係を重視し、その要請にはほぼ100%協力している。お得意先には粘り強い交渉で対応しているという。

 「自社のコスト増加を表に出すことができないところが厳しい。コスト削減とメーカー価格の引き上げへの対応で、経費率は削減できると考えている」(関口社長)。

 

 

2023秋見本市(東北)

 秋冬商戦と通年戦略については、気候の影響で苦戦した9月にも関わらず、累計では前年比を上回る推移を見せている。観光客や催事などに着目した動きや、昭和レトロブームに乗った販売戦略を展開。そして、情報提供と迅速な提案を重要視している。

 さらに、地方での人材確保や会社の雰囲気作りに注力し、採用強化に取り組む一方、新規社員の教育にも力を入れている。

 「厳しい時代を乗り越えるためには、他エリアの同業地域卸さんとの協力が大切だと考えている。手を組んでもらえる卸になれるよう、会社全体のレベルをきちんと上げていきたい」と関口社長は意気込む。