『Tony's Chocolonely』イベントで認知度向上へ
同社が毎年12月に発行している生活トレンド予測誌『TKBridge』の2023年版で、チョコレート市場について「徳用・大袋タイプや健康志向商品は成長力があり、微増」と予測していた。上半期が過ぎた現在、同市場は「徳用・大袋タイプは微増、ポリフェノールなどの健康志向を謳った商品は微減」となった。
徳用・大袋タイプは、コロナによる制限が緩和されパーティー需要が復活するとともに、インバウンド需要の復調、価格改定の影響での金額増などが要因。健康志向商品は、コアユーザーは定着しているものの、ライトユーザーが流出した。「現状の付加価値だけでは弱く、健康が体感できたりプラスアルファの効果が求められていた」と同社では分析している。
そうした中、同社が輸入販売している『Tony's Chocolonely』は、秋冬期間限定として11月から翌年2月の期間に展開。昨年輸入した在庫も完売となり、順調に進んでいる。今年は、ニーズの高いアソート品(写真)の試験販売を一部の取引先限定で先行スタートし、来年以降は取り扱いを拡大していく予定だ。
また、プロバスケットボールチームのレバンガ北海道をはじめ、スポーツとのコラボ販促活動も増えている。今後もスポーツなどのイベントを通して、若者や家族連れに同製品の認知度を高めていく。
大学との取り組みも強化。青山学院大学の学生と連携し、9月16・17日に渋谷ヒカリエで開催されたイベント「東京チョコレートサロン」(立花商店主催)に参加し、学生と一緒に販促活動を行った。『Tony's Chocolonely』を通して、トニーズ社の理念やフェアトレードについて日本での認知度を上げていく。
チョコレート市場の傾向として、サブカテゴリーのチョコがけ/センターインチョコは、コミュニケーション菓子として外出時や移動シーンの需要増で好調、また、海外旅行客が復調傾向となり、インバウンド需要が高かった商品は好調となっている。
今後は、定着した家中ニーズを残しながら、いかに外出需要や嗜好品としてのトレンドを掴んでいけるかがカギとなり、「付加価値」「プチ贅沢」「変化したスタイル(家中需要→外出需要へ、両方取り込む施策)」「インバウンド」に合った提案が必要になると同社ではみている。