秋季見本市展示会開催(本社分)
準広域問屋の㈱関口(栃木県鹿沼市、関口快太郎社長)は8月23日、栃木県宇都宮産業展示館マロニエプラザ(宇都宮市)において、本社管轄(本社及び前橋支店・松本支店・千葉支店)の「令和5年秋季見本市展示会」を開催。厳しい暑さが続く中での開催であったが、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことで、得意先約250社から約500人を招いて盛大に執り行った。
写真左より相川保彦常務、関口大二郎専務、関口快太郎社長、相川輝彦前橋支店長、
岩垂素弘松本支店長、加藤伸彦営業部長、飯沼善史千葉支店長
会場入口には、関口の“2023年の文字”と題して「躍」の字が書かれた掲示板を設置。展示会を始めてから50年目を迎えた今展示会を飛躍への足掛かりと位置づけ、得意先のニーズに沿ったメーカー商品や販促企画を展開した。
関口社長は、今展示会について「展示会の開催回数も本社・東北を合わせて100回を超えた。時代の変遷とともに開催場所や提案する商品・企画が変わっても、関口の本質的な部分は何も変わらない」と商圏に密着した地場問屋としての立場や役割を堅持するとした。
また、昨今の商況については「人流の回復、インバウンドの影響もあり、観光地のある千葉と松本の売上も良好である。今年度上半期の実績では、前年同期比5%の伸びを示した。コロナ禍前の数値と単純に比較はできないが、このままの勢いでいきたい」と熱く想いを語る一方で「物価の高騰が利益を圧迫しているのが現状。直近では2024年問題も危惧され、決して楽観視できる状況ではないが、9月から北海道の事務所も動き出すほか、業績が好調な千葉支店の移転を年明けに検討している」と力を込めた。
関口では、9年後の創業80周年までに売上高500億円を目指している。
今展示会で謳った“躍”は、関口が大きく飛躍するための第一歩となる布石でもあり、目標に向けて積極的に攻める姿勢の表れといえる。
企画コーナーも盛況
関口企画コーナーでは、実際に商品を見て、手にとり、味わいたいという取引先の要望に応えるために実演コーナーが設けられた。関口の子会社である本橋製菓(栃木県宇都宮市)の『あん入りドーナツ』のほか、ひざつき製菓(栃木市)は揚げたてのお米スナック『ビッグパック』の試食や、佐々木製菓(岩手県一関市)の職人が1枚ずつ丁寧に手焼きする『南部せんべい』の実演もあった。
また、「防災の日」の由来となった関東大震災の発生から100年になるのを機に「防災企画」のコーナーを設置。防災意識の高まりを踏まえ、美味しく栄養価の高いお菓子をはじめ、アレルギーに対応したクッキー、キャンプ用のおかずなど、時代のニーズにあわせた多彩な防災食品を提案した。
また、昨秋の東北見本市でも好評だった「なつかしのレトロお菓子パッケージ」コーナーを設置。盛岡支店の前支店長が保存していた約300点の昭和レトロなお菓子のパッケージが壁一面にずらりと勢揃い。一つひとつパウチ加工されたパッケージを眺めて歓声を上げる来場者や、パッケージの前で記念撮影をする来場者が散見された。
企画商品の「ギフト」では、クッキーなどの焼菓子のほか、せんべいの詰め合わせなど、手軽に購入できる1000円以下のギフト商品を中心に展開。
「関口特選」では、お馴染みの『岩下の新生姜ポテトチップス』のほか、『海老チリチップス』『パスタスナック』など、スナック菓子を中心にバラエティに富んだ商品群を展開した。
「こだわり米菓」では、厳選したせんべいやおかきなど、約40点の魅力的な商品を提案。
関口が加盟する「全流協」と「JCCグループ」のブースでは、懐かしい麩菓子やお得感のある大袋企画のほか、『お買い得気分』シリーズの新商品『ごまビスケット』やサクサク食感のコーンをチョコレートでコーティングした『チョコスナック』などを訴求した。
地域ならではのお菓子を提案するコーナーでは、東北・関東の6県に長野・山梨を加え、今年から関口の新たな商圏として加わった北海道のお菓子を披露したほか、雑貨を中心に展開する㈱リーメント(東京都千代田区)や、恐竜フィギュアの㈱デアゴスティーニ・ジャパン(東京都中央区)によるコレクション性の高いキャラクター製品の売場提案などがあり、来場者の関心を集めていた。
メーカーブースでは、明治・森永製菓をはじめとする103社が出展。自社の秋冬向け商品や推奨商品を展開し、活発な商談が行われた。
また、屋外の駐車場には宇都宮のギョーザや北海道名物の豚丼、デザートなどを提供するキッチンカーが出店し、来場者の憩いの場になるなど、故関口快流会長から受け継がれた関口ならではの“おもてなし”が垣間見えた。