宮田「MIYATA FESTA 2023」

新たな需要の掘り起こしと企画力のブラッシュアップ

 香港を拠点に食料品や菓子の製造販売を行う「四洲集団」グループの傘下で、国内の菓子卸であり、菓子の企画製造やOEM、菓子の輸出や輸入菓子を手掛ける宮田(本社=千葉県松戸市、戴進傑社長)は6月27日から30日の4日間、同社本社4階展示ルームにおいて〝伝統があるから、進化がある。〟をテーマに、お菓子の商品展示商談会「MIYATA FESTA 2023」を開催。全国の小売バイヤー約550名が来社し、試食を交えながら企画に定評のある同社製品の説明に耳を傾けていた。

 

 洋菓子を国内工場で製造する「ママ」、海外原料を直輸入して国内工場で味付け加工した「スイートボックス」、和菓子や米菓を国内工場で製造する「錦糸堂」、海外メーカーへ製造委託した輸入製品「ハッピーポケット」など、カテゴリー毎に企画販売会社を持つ同社。今回の展示商談会は「既存品の掘り起こしと自社製品のブラッシュアップ」を基本に、それぞれの企画毎に展示を行った。その数は既存品80アイテムで、開発品を含む新製品は36アイテム揃えた。

 

 今回の目玉となる製品は、入口付近にあったスイートボックスの新製品『スープカレー風味フライドポテト』(内容量、以下同40g、参考上代、以下同160円、写真上)。北海道の人気スープカレー専門店「Suage(スアゲ)」が監修したコラボ品。同社のフライドポテトといえば人気のシリーズで、昨年は一昨年に比べ2倍の販売量となっている。その「Suage」が今年の6月13日、四洲集団有限公司の本拠地・香港に初となる海外出店を行った。また既存の〝じゃがいもをそのまま揚げました〟シリーズに新味『フライドポテト サワークリームオニオン味』を投入する。スナック類では人気の『ハンマーオン プレッツェル』(4味)におつまみに最適な『プレッツェル&ナッツ スモークベーコン風味/アンチョビガーリック風味』の新製品を仲間入りさせる(写真下)。

 

企画もの新製品続々

 ママからの新製品は、Z世代をターゲットとした個性派菓子「ZENERATION Z」コーナーに、メルヘンチックなパッケージの『想いはせるグミゼリー 夕焼けブドウ味』『想い届けグミゼリー 星空レモン味』『想い叶うグミゼリー 朝焼けリンゴ味』(各40g、200円)の3品。「クリスマス」コーナーではパッケージにこだわった『クリスマスドーナツ 3種アソート』(160g×2袋、800円)や『クリスマスポップコーン ショコラ&ストロベリー』(75g、900円)。「焼き菓子」コーナーのベルギーワッフル『バレッタフル』(7枚、250円)、『キャラメルインクッキー』(7枚、350円)、『ポルポローネ 和三盆/ショコラ/ストロベリー』(各4個、350円)。

 錦糸堂の新製品は、「珍味・豆菓子」コーナー展示の丸い透明容器にパックされた『こだわりミックス』『エビチリアーモンド』『炙り小いわし(燻製風味)』『3種のお魚骨せんべい』(各350円)や、「米菓」コーナーの『ざらめせん久助』『甘辛せんミックス久助』『匠の米菓 もちもち揚げ 塩味/醤油味』『匠の米菓 わさびおかき/黒豆かきもち/ざらめおかき』(各350円)など。

 

輸入菓子から地方菓子まで

 輸入のハッピーポケットの新製品は、四洲集団・河北工場で製造する素材菓子『ほし芋スティック』(50g、150円、写真下)や恵州工場で製造する海鮮スナック『えびせんべい』(2枚×12袋、350円)。来年2月発売予定の韓国産『コーンチップ』(70g、250円)はハングル文字を活かしたパッケージで新登場する。

 そのほか、『黒い恋人黒豆とうきびチョコ』や『道産子ド定番 うずまきかりんとう』などの「北海道フェア」をはじめ、「全国各地から様々なお菓子を集めました!」コーナーでは、全国をまわって見つけてきた地方菓子を紹介した。

 

強みを活かしたオリジナリティと企画力

 この展示スペース奥には、大きな菓子売場のようなラックに4000~5000アイテムの製品サンプルを常時陳列していた。「これはごく一部(実際は約2万アイテム提案できる)。今後は、まだ売上になっていない多くの製品をどう動かしていくかが課題」(同社責任者)と話す。この中には、輸出向けの宮田ブランドの製品もある(写真下)。円安相場の現在、輸入も輸出も手掛ける同社の強みでもある。

 また、「原材料をはじめ、すべてのコストが上昇し、各メーカーは値上げの実施を余儀なくされているが、一向に賃金が上がらない生活者の防衛意識はますます高まり、生活防衛型商品へのニーズは引き続き強い。小売業に対するわれわれの強みは、オリジナリティと企画力、さらには小回りの利くところ。バイヤーから相談しやすい環境でありたい」と語り、「小売業が寡占化すると、その組織立った売場に採用されないお菓子を製造する中小メーカーは、ほかに販路を見出さなければならない。そこで、新しい販路を開拓していくことがわれわれの重要な任務になると思っている」(同氏)と話した。