2023初夏売れ筋特集号 湖池屋

好調でも攻めの姿勢を崩さず

 1962年に『ポテトチップスのり塩』を発明し、67年に日本で初めてポテトチップスの量産化に成功した同社。直近では『The KOIKEYA』シリーズなど、高付加価値製品の売れ行きが好調だ。今春は主力のポテトチップスブランドを中心に、リニューアルが続いた。

 発売から60周年となる看板製品『湖池屋ポテトチップス』(写真上)は、「国産じゃがいも」と「味へのこだわり」が同品の原点であり最大の強みであると考え、3月27日にこれらが際立つ味わいとデザインに刷新した。

 独自製法で理想の美味しさを追及する『湖池屋プライドポテト』は、2017年に誕生して以降好調な売上が続いているが、今年2月20日に「通の黒胡椒」がラインアップに追加されたことを機に、既存のフレーバー4品の改良とパッケージデザインを変更。国産芋の旨さと神業食感の訴求を、さらに強化した。

 また5月22日に発売した『同JAPANオリーブソルト小豆島』(写真下)と『同神戸ビーフ』は、1袋あたり1円を小豆島のオリーブ復興プロジェクトや神戸市に寄付するなど、地域貢献にも積極的に取り組んでいる。

 このほか『湖池屋ストロング』は新フレーバー「ガチ濃厚ピザ」が追加され、エリア限定発売だった『濃いじゃが』は4月3日から全国発売となった。「高付加価値ブランドを定着させ、既存ブランドの生産効率を高めることで、収益性を改善しながら売上を伸ばしたい」と担当者。7月には一部製品の値上げを予定している。

 また、同社の今後の方向性を示す新機軸製品を、8月に発表する予定だ。「TVCMやSNSを活用したPRを検討している。期待してほしい」と、担当者は意欲をみせた。