井村屋グループ(三重県津市、浅田剛夫会長・中島伸子社長)は3月13日、津市内の中勢北部サイエンスシティ内に新設した「あのつFACTORY」の記者発表会を開催した。
工場外観(井村屋グループ提供)
井村屋グループ・浅田会長は、「あのつFACTORYは、海外に向けた“広がりの拠点”としての性質を持っている。同時に、コロナ禍での環境変化を見据え、“新しい場の構築”をテーマにしたモノづくりを重視している。とりわけ“健康”という側面が重視されるようになってきたことから、当社は既存製品の中でも健康に配慮した製品に重点を置いていく。新工場では、効率化、働きやすさ、繋がりやすさ等、様々な改善を加えた。今後も皆様にご満足いただける工場として運営していく」と挨拶した。
井村屋・岩本康社長は、「あのつFACTORYは、既存の売り場を大切にしながら、新しい売り場を創造する新製品を供給する基地としてスタートする。国内市場はもちろん、海外市場においてもグループの今後の成長を力強く牽引していく工場だ」とした上で、新工場のコンセプトを4点挙げた。
①環境にやさしく持続可能な夢のある食品工場②成長カテゴリーの供給基地(SOY、焼菓子、EC商品)③AI・DXを活用したコストダウンへの取り組み④SCM機能を強化したベストコミュニケーションファクトリー。
井村屋・可児辰巳取締役(生産副本部長兼あのつFACTORY工場長)は、工場概要と生産品目について次の通り説明した。
▽工場名=あのつFACTORY▽所在地=三重県津市あのつ台一丁目8番1 中勢北部サイエンスシティ内▽面積=敷地2万1827㎡(約6600坪)、建築7112㎡(約2155坪)▽従業員数=約80名▽契約関係=土地・建物所有者の㈱宝輪と賃貸借契約を締結。※工場内の設備・機械は井村屋グループが投資。▽生産品目=SOY(ロングライフ豆腐を基軸に輸出も含めた市場開拓、おからを活用したゼロエミッション化)、焼菓子(カステラ輸出専用ラインを構築し海外市場を拡大。将来的にはどら焼輸出も視野に)、スイーツ(Anna Miller's / JOUVAUD各ブランドのEC市場に向けた商品開発・商品供給)、進物(ギフト包装とEC包装を集約)▽環境方針=太陽光発電システム(クリーンエネルギー40%以上)、大型蓄電システム(1200kw蓄電装置で太陽光発電の最大活用)、アイスバンクシステム(夜間製氷で昼間の電力負荷低減)、廃棄ゼロへの取り組み(SOYおからの利用拡大)。
同グループは2021年度、米国事業会社IMURAYA USA, INC.に日本製品輸出の総代理店化を企画し、現地への輸出・販売を進めてきた。その生産を担うグループ企業・井村屋は、幅広いカテゴリーの生産機能を有しており、今後の国内外での成長戦略の中で輸出やEC販売への供給能力の向上、ロジスティック機能の強化など様々な課題に対応していくことが求められていた。
「多様なカテゴリーがあのつFACTORYに集うことから、グループ共通ミッション“おいしい! の笑顔をつくる”に挑戦する仲間と優れたコミュニケーションを発揮し、新価値創造へ挑戦していく」(同グループ)。