富山県砺波の地で昭和10(1935)年に創業したおかきの北越(片山雄博社長)が、既存製品を大幅に見直し、北海道産昆布使用の『真昆布おかき』(写真左、13枚、希望小売価格411円・税込)と、富山湾産白えび使用の『白えびもち焼』(写真下、12枚、同411円)として2月21日と3月1日に発売した。
2品の前身は、真昆布が9枚入り250円(税別)、白えびが11枚入りで330円だったが、諸原料や近頃のコストアップへの対応から、思い切った規格見直しで大幅なグレードアップを実施した。
「現在のコスト高騰に対応するには、従来の手法では厳しい。思い切って規格を見直し、増量値上とした」と、片山社長。
北越といえば、富山の米どころで暖簾を守ってきた老舗。米や水に始まる原料への強いこだわりがある。現下の半端の無い物価高騰に、付け焼刃のような対応では将来は見通せない。
「幸い3年続いたコロナ禍も落ち着く兆しが出てきて、観光の復調も見えてきた。富山ならではの素材でアピールする製品に仕上げよう…」
いかにも富山らしい素材をチョイス。入り数を増やし、売価は堂々たる400円超え。富山湾の宝石と呼ばれる白えびは、北陸新幹線の開通で全国に知られるブランドになった。また富山県民は昆布好きで、強いこだわりを持つ素材だ。観光客に富山の魅力を強くアピールする老舗の品質、そして価格なのである。
ブラッシュアップされた2品はともに国産もち米100%。表面はやや堅め。中はサクッ。生地の焼きは同社独自の高周波釜を使い「堅めの食感を活かすために、膨化は抑え気味」と、工夫を凝らした。これにより米の香りと甘み、それぞれの素材の濃厚&芳醇な味わいとが両立された。
パッケージには老舗の象徴である暖簾を描き、製品ロゴと使用する白えび、昆布の素材と国産もち米使用を強調。個装袋には金色を使って、品良く上質感を装わせた。