春季見本市展示会開催
今期が会社創立70周年の節目にあたる広域問屋の関口(鹿沼市・関口快太郎社長)が、期末近い2月22日、栃木県立宇都宮産業展示館「マロニエプラザ」で、春夏向けの見本市展示会を開催。コロナ禍も沈静に向かいだした中、新たなスタートを切る関口の、意気込みを示す過去最大規模の開催となった。ブース出展社は123コマ110社、来場者は250社500名。会場の「マロニエプラザ」の大展示場(2,665㎡)には、間断なく顧客が訪れ、関口らしい熱気の籠る“手売り”の商談が活発に展開された。
写真左より 相川輝彦前橋支店長、岩垂素弘松本支店長、関口大二郎専務、
関口快太郎社長、相川保彦常務、加藤伸彦営業部長、飯沼善史千葉支店長
関口の今年のテーマは「躍」である。会場入り口の案内板に~飛躍のために~の添え書きとともに、大書した一文字が掲げられていた。
「コロナ禍で内向き気分になった世の中で、今年は躍動感をもって一丸となって活動し、会社を躍進させる、との思いを込めました」と、関口社長。今年の干支のウサギに因む「跳」も候補だったが躍の力強さを採用した。
昨年まで関口の展示会はホテルの広間を利用して実施してきた。マロニエプラザは、広さもさることながら、イベントや展示会を目的に作られた施設だけに、LED照明の採光の設えも計算されており、陳列商品の“映え”がよい。
会場はJR宇都宮駅から徒歩約10分。敷地内に450台の駐車場を備えている。しかし今回は折悪しく、確定申告の会場が施設内に設けられていたため、多少の混乱があった。「そこは次回の改善点。来場されたお客様や出展メーカーさんからは、商品が見やすい、ゆったりとしていて商談がしやすいと好評を頂いた」
123コマのブースは一コマが幅180㎝。以前の3尺では並べる商品にも限りがあり、商談するにも狭かった。ゆったりしたスペースを使って、ディスプレーに工夫を凝らすところも垣間見えた。会場のレイアウトは、8社ないし10社を1ブロックとしてまとめ、そのエリアに6か所、商談コーナーとは別に、休憩に使えるスペースが設けられていた。展示場は広いだけに一巡りするのも大変だ。来場者のための関口流の心遣いである。
関口の意気込みは企画・提案にも見て取れた。会場のおよそ4分の1のスペースに12のアイランドを設け、18のテーマで括った商品を見せた。お馴染みの『宮のたれチップス』や本橋製菓『あんドーナツ』などの関口オリジナル(13品)、関口特撰(92品)、全流協(26品)、JCC(89品)のベーシックに始まり、個食(52品)、キャンプ×お菓子(32品)、お酒×お菓子(33品)、熱中症対策(60品)、辛活(全国周遊=41品)、ムードフード(GABA=25品)、動物モチーフ菓子(24品)、環境などに配慮したエシカルフード(60品)、カラダサポート(栄養補給=102品)、米スナック(26品)、ロングセラー(75品)、吊り下げ(59品)、半生菓子(60品)、ゼリー(49品)の計18の括り。
新しい挑戦の異業種コラボ。写真は「キャンプ×お菓子」の提案
新たな試みと挑戦!
「今回、試みたのは異業種コラボ。初めての挑戦です。キャンプ用品の㈱浅野さんと、酒類卸の㈱横倉本店さんとの企画に、良い手応えを感じています。同じエリアで商売されている異業種企業と、取り組んで行くのも“新しい形”だと考えました」と、関口社長。
異業種だが、取引先の小売業が共通していることも多いことから「声掛けをさせて頂いたところ、快諾を頂き、今回の企画が実現できた。これまでは、お菓子単体でバイヤーに“こういうことをやりたい”と提案をしてきたのですが、理解が進まず、やり辛い面もあった。今回のコラボで、具体的な“新しい形”を見せることで、理解が進みやすくなったと思う」
提案コーナーの奥に、大ぶりのテントを張り、家族で楽しむキャンプの空間を設えた。自然の中での団欒を盛りあげるお菓子たちが並ぶ。
一方の酒類では、コロナ禍で伸びたおつまみ需要を、ウイスキーや日本酒などの晩酌のアテで括り、また別のコーナーでは、今ではすっかり浸透したワインに、お洒落にフィットするお菓子を提案。この他、関口の関連会社の本橋製菓が、あんドーナツを温かい食べ方で提案。高崎市の小見製菓は五家宝の製作を職人が実演。これも、関口の新たな挑戦の一端である。
その他、最近のキーワードに対応した提案では、紙包材使用などで「エシカル」、トマト製品をメインに「ムードフード」、米粉アイテムの「米スナック」や、健康指向の高まりを受けて「カラダサポート」なども目を引いた。
「創立80周年に向かうニューファンデーションのスタートを迎え、新しい会場で展示会を開催できたことは有難いことです。今期業績の進捗状況は、昨年比105%強(12月まで)で売上見込みは235億円くらいになりそう」と関口社長。
これは創業以来の記録更新。ただし、昨秋以来の値上げラッシュの関係で、未だに上げ切れていない部分もあるという。
「最近、SDGsやDXなどが盛んに叫ばれますが、こうした時代の流れに合わせる努力は必要ですが、業界は労働集約型の業態。現在どこも人手不足が課題の中、弊社では営業で3人、開発に1人、新しいスタッフが入社」し、関口はパワーアップした。来期には北海道への浸透がスタートするなど、関口の挑戦は新たな形を描きだす。