コロナ禍のこの3年。イベントなど多くの人の集まる催しが中止されてきた。年が改まり新型コロナ感染症が、インフルエンザなどと同じカテゴリーに、格下げされるという方向性が示されてきたこともあり、業界行事の賀礼会や新年会などが、今年に入って開催されだした。
今なお不安を引きずりながらの生活だが、東京カリントの関連会社の蔵屋が運営する即売会『蔵出しセール』が、2月3日(金)と4日(土)に東京カリント本社の特設会場で、およそ3年ぶりに再開された。
長年にわたるこのセールには多くのファンがついている。近隣住民だけでなく、車で駆けつける遠来のファンも多い。コロナ禍で窮屈を余儀なくされていた間も、再開を望むファンからの問い合わせが寄せられていた。
「多くの方から問い合わせや、再開を望む声が寄せられていました。一時の感染拡大も沈静化が見え出し、世の中も“ウィズコロナ”に動きだしておりましたから…」と、同社の広報担当者は開催の背景を説明した。
会場は東京カリント本社敷地内に設けられ、また、車で来場するファンに社用駐車場を開放した。
3張りのテントの下に商品台。2月の特価品としてエンドに用意した『煉蜜かりんとう』や、『黒蜂』『白蜂』などの看板製品、『しっとりミルクチョコドーナツ』や『ジャージー牛乳ドーナツ』などに加え、業界内の付き合いから米菓や珍味、豆菓子、チップ類など多様な品揃えでファンを迎えた。
開催告知は同社のTwitter、新聞折込みのチラシ、本社前の壁面にポスターを張りだしておこなった。感染防止のための「手指消毒」「マスク着用」「ソーシャルディスタンス」の注意喚起も、告知の中で怠りなく実施し、売場入口にも消毒用アルコールを準備した。
作りたての鮮度が『蔵出しセール』の身上だ。初日の3日には、メーカーならではの“揚げたてかりんとう”を、数量限定で13時30分から販売。これも目当てだったのか、曇りがちの寒い朝であったが、午後の人出は同社の想定をはるかに超える「大盛況」となった。
当日に駆けつけたファンのTwitterへの書き込みには「初日に行きましたが大盛況で、ほとんど商品が無い!『昔ながらのかりんとう』を買ってきました…来月(3月3日・4日開催)は初日に参戦するぞ~」「あっち見ても、こっち見ても、かりんとうの楽園やあ~」「最終日に買ってきました。自宅用とお裾分け用…見てるだけでも幸せになれます!」など、ファンの喜びの書き込みが溢れた。
来場客は幅広い世代の男女。だれもが商品を買い物カゴいっぱいにしてレジに並んだ。高齢者はもちろん、子育て世代の主婦、近所の現場から来たのか、作業着姿の男性も…。「子供が小さな時から通っています。今は離れて住んでいるので、送ってあげるつもり」と、笑顔のご婦人。お菓子は人を笑顔にするというが、セールの場にはホットな笑顔が溢れていた。
「今後は基本的に月1回の開催を目指していきます」と、広報担当者。