関口「秋季大見本市展示会」(本社分)

届け!お菓子の楽しさ

 広域問屋の㈱関口(栃木県鹿沼市、関口快太郎社長=写真下)は8月24日、前橋・松本・千葉各支店を含む本社の「秋季大見本市展示会」をホテル東日本宇都宮(宇都宮市)で開催した(写真上)。メーカー出展は95社。来場者は、新型コロナウイルス感染対策により1社3名の限定となったが、約300名にのぼった。

 会場入り口に設置された関口の企画コーナーでは、①ギフト②親が子供に食べさせたい③グミ④わけあり⑤秋味⑥温活⑦カゼ予防⑧フェイクフード⑨背徳グルメ⑩もちもち食感⑪関口オリジナル⑫防災――などを提案。また、千葉・長野・埼玉・群馬・茨城・栃木・沖縄7県の地域ブランドや特産物を使用したお菓子を特集するコーナーも設置した。

 「現在、コストプッシュ型のインフレが進行しており、お菓子を含む食品価格は上昇の一途を辿っている。消費者の節約意識も高まっているため、嗜好品であるお菓子にとっては逆風が吹いている状況。それを打ち破るべく、今回フェイクフードや背徳グルメといった消費者にとって刺激的なテーマの企画を用意した。また、この春に東北5支店が開催した大見本市で好評だった地域特性を発揮できるコーナーも設けた。食品値上げが連続することでお菓子の需要がシュリンクしないように、多くのメーカーは商品価値の向上に努めており、高付加価値型の商品が確実に増えている。それらが消費者にしっかり伝わるような切り口で提案し、お客様にいろいろな商品を導入してもらいたい。そんな当社の思いが企画コーナーで表現できていれば幸いだ」(関口社長)。

 

 充実の企画コーナー

 

 ①ギフトでは、コロナ禍でも比較的好調に推移している1000円以下のギフトを集めた。特に手軽に送れるECギフトをはじめカジュアルギフトの伸長が目立つことから、コロナ禍の反動もあって来年は大きく伸長するだろうとアピール。

 ②親が子供に食べさせたいでは、「子供にとって、おやつの一番の目的は栄養補給」とした上で、ビタミン・鉄分・カルシウムが摂れるもの、糖分・塩分・油分が少ないもの、噛みごたえのあるものをおやつとして推奨。各ポイントを押さえたせんべい、スナック菓子、素材菓子、ゼリーなどを展示した。

 ③グミでは、菓子類の中で伸長率がとりわけ高いことから、その活性化を訴求。そのポイントとして、新商品の積極的導入、グミ棚以外での商品提案、ターゲットを明確にした商品提案、グミの咀嚼効果のアピールなどを挙げた。展示の中心となったのは、グミカテゴリーで好調な「ハードタイプ」「シェアパック」「輸入系」の各商品。

 ④わけありでは、製造過程で出る規格外品を「かなりお得」な商品として提案。スナック菓子、せんべい、ドーナッツ、バウムクーヘン、カステラ等の〝久助〟を取り揃えた。

 ⑤秋味では、「秋の夜長のお供にピッタリなお菓子」として、芋・栗を使った商品を集めた。芋菓子は、干し芋・芋けんぴ・芋チップス・芋羊羹など。栗菓子は、天津甘栗・マロングラッセなど。

 ⑥温活では、健康効果が高く、スパイシーな風味を与えてくれる調味料「生姜」を使ったお菓子を特集。冷え性対策・消化サポート・殺菌作用・コレステロール低下作用など生姜の働きを紹介。「市販のお菓子や生姜湯でホットひと息! 生姜をうまく摂取して美味しく体の中から健康になりましょう」と訴求した。

 ⑦カゼ予防では、納豆・乳酸菌・プロポリスなどを使ったのど飴を中心に集めた。カゼ予防のポイントや腸活と免疫力の関係の解説も。

 ⑧フェイクフードでは、大豆などの植物性タンパク質から作られる代替肉(フェイクミート)や蒟蒻などを使ったスナック菓子やおつまみを中心に展示。

 ⑨背徳グルメでは、ホイップクリーム、ニンニク、油、バター、チーズなどがたっぷり使われていて、「食べるのに罪悪感があるけれど病みつきになる」要素があるお菓子を取り揃えた。最近のバターブームに注目し、バター味のお菓子を中心に展開。

 ⑩もちもち食感では、原材料に米粉・もち粉・上新粉・白玉粉・でんぷん粉・葛粉などを使用した「もちもち食感」を持ったお菓子を揃えた。とりわけ米粉を使用したお菓子に注目し、もちもち・しっとり食感に加え、国内で自給できること、グルテンフリーであることなどをアピール。

 ⑪関口オリジナルでは、宇都宮のソウルフードで同社子会社・本橋製菓の『あんドーナツ』をはじめ、『岩下の新生姜ポテトチップス』『宮のたれチップス』『バターみるく』など地元ゆかりのPB商品を展示した。

 ⑫防災では、災害時に人が水・食料を摂らず生命を維持できる限界が72時間であることから、救助を待つ3日間の〝防災食〟として、日常食べているお菓子を提案。ラムネ、金平糖、塩飴、タブレット、キャラメル、野菜ジュース、粉末スポーツドリンクなど。

 

 80周年に向けて!

 

 その他、セイカ食品(鹿児島市)やレーマン(都内港区)、オリオンベーカリー(岩手県花巻市)などが参加した「新規出展」や、関口が加盟する「JCC」「全流協」などの問屋グループの商品群を展示する各コーナーも充実していた。一方、メーカー各社も競って製品の売り込みを展開。会場は商談の熱気で満ち溢れていた。

 「創業71周年を迎えた当社の今期目標は売上8%増。第1四半期では5%増と好調だった。以前から商圏の各地で蒔いていた種も実りつつあると実感している。80周年時に売上500億円という大目標を達成するために邁進したい」(関口社長)。