築野食品工業 米ぬか由来の機能性成分


 同社は、古来健康と美のシンボルとして親しまれてきた“米ぬかの高度有効利用を推し進めている。こめ油製造事業・ファインケミカル事業・オレオケミカル事業の3事業を展開し、食品業界、医療業界、化粧品業界、化学業界など多岐にわたり、国内だけではなく世界40カ国以上で利用されている。

 その1つ、ファインケミカル事業では、米ぬかからこめ油を精製する過程で発生する副生成物からあらゆる機能性成分を抽出精製し、食品添加物、食品素材のほか、医薬品原料、化粧品原料などにも応用している。イチ推しは次の2製品。

 『ライステロールエステル』(写真上左)=こめ油に含まれている「植物エステロール」および「トリテルペンアルコール」と「(脂肪酸の)エステル体」を同社独自の技術で抽出したもの。こめ油独特の癖のないコクを付与できるのが特徴。マーガリンやマヨネーズ、乾麺、揚げ油などに使用できる。

 『フィチン酸』(写真上右)=米ぬかから抽出した天然有機酸の食品添加物。非常に強いキレート能力と優れたpH調整能力で、酸味を感じさせずにpHを下げることができる。一般加工食品や清涼飲料、アルコール飲料、健康食品や化粧品に適応。用途例は、生姜チューブなどの褐変防止と日持ち向上、色素の退色防止、フルーツ加工品の酸味料など。