日新製糖 環状オリゴ糖からプラーク形成抑制

 「カップ印」ブランドの砂糖メーカーの同社は、砂糖その他食品と健康産業の両輪で事業を行い、「豊かで快適な生活の実現のため、『食』と『健康』で貢献する。」を経営理念としている。

 歯科の二大疾患で、20代以上の大半が「虫歯」を保有し、30代以上の3人に2人が「歯周病」であると厚労省の実態調査(平成28年)で明らかになっている。加えてコロナ禍の現在、歯科医院に通うことをためらう人も多く、口腔ケアが疎かになりがちだ。

 そこで、オーラルウェルネス市場に向け、画期的な新規プラーク(歯垢)を抑制する環状オリゴ糖の新素材『サイクロデキストラン(CI-Dextran mix)』(製造特許取得済み、以下CI)を上市したのが昨年5月のこと。

 虫歯や歯周病菌の原因となるプラークは、虫歯菌(ミュースタン菌など)が出すGTF酵素と糖が合成して生成される。このGTF酵素を阻害する働きを持つCIは、糖存在下で1%の低濃度からでも強い効果を示した(図参照)。

 この新素材は、無味無臭で水溶性・安定性にも優れ、チョコレート・キャンデー・ビスケット・餡などの菓子類や清涼飲料を含む、糖を必要とする一般食品のほか、ガムや洗口液などのオーラルケア製品にも応用できる。また今年1月、「環化レウコノストック培養液」として、化粧品成分表示が可能となった。