■第45回 FOOMA JAPAN 2022 東京ビッグサイト(6/7~6/10)

日本の「食」はメイドinジャパンで‼

アジア最大級「食の技術」の総合トレードショー開催さる

 

 (一社)日本食品機械工業会主催の「FOOMA JAPAN2022」が、6月7から10日までの4日間、東京ビッグサイト(都内江東区)で開催された。3年ぶりにビッグサイトに戻ってきた今回は、過去最多の874社が出展。東展示棟の8ホール総てを使い、展開された「FOOMA JAPAN2022」の会場は、初日から熱気に包まれた。

オープン初日の会場内。過去最高の874社が出展。3年ぶりの東京ビッグサイトということもあり、初日の来場者は2万2878人、2日目、3日目と来場者は増え4日の延べ来場者は9万2717名となった

3年ぶりの東京ビッグサイトでの開催‼

6月7日9時45分 フーマジャパン開会のテープカット

時代を切り拓く技術とマシーン一堂に

 テーマは「Restart FOOMA」。来場価値のさらなる向上をめざし、惣菜分野、フードテック分野、省エネ分野を新たに設けるなど最新技術を取りそろえたほか、それらに関するセミナー、パネルディスカッションを実施。また食の技術のオープンイノベーションを加速させる『スタートアップゾーン』の新設、優れた研究成果を顕彰する『FOOMAアワード』の創設など、“アジア最大級から世界一の食品製造総合展”に向けての取り組みが、今回の見どころであった。

 同イベントを主催する日本食品機械工業会の大川原行雄会長は、5月25日の総会で会長に就任したばかり。会長デビューでもある開会式の挨拶で、

「依然として新型コロナウイルス感染の終焉が見通せないなか、過去最大となる874社の出展をいただき、本日の開会を迎えることができた。食の安全・安心の提示、環境対策、SDGsへの取り組み、多様化する消費者ニーズ、商品づくり・加工における人手不足、そしてウィズコロナ時代を迎えて、課題が山積みとなっている。そうした状況に対して最先端の技術・製品・サービスの展示を通じ、時代を切り拓いていきたい」と、今回の開催に向けて抱負を語った。

 3年ぶりの東京ビッグサイトでの開催に加え、新型コロナウイルス感染者数減少もあって、初日から会場は熱気に包まれた。

 愛知スカイエキスポで開催された昨年の同イベントは、緊急事態宣言延長の影響を受け、入場登録者数の総計が2万2420人だったが、今回は9万2717人。コロナ禍前で海外からの来場者数も今以上だった2019年の10万680人に迫る数字である。出展者、来場者共に、「とにかく人が多かった」と口をそろえる。

 

 

挨拶する大川原行雄会長(㈱大川原製作所社長)

フーマアワード創設で新たな息吹も

 イベント初日の夕方、新たに創設された『第1回FOOMAアワード2022』の受賞製品が発表された。累計応募総数37点について書面審査ならびに、動画の確認等厳正な審査を経て、最優秀賞候補にノミネートされたのは計6点。そのなかの前川製作所の『セルダスシステム』が最優秀賞を、レオン自動機の『火星人』がFOOMAアワード特別賞を受賞した。

開催レセプション 大川原会長挨拶

 初日の夕刻、第1日目を終えた和やかな空気感のなか、恒例のレセプションがおこなわれた。今回のメインイベントは、新設された「FOOMA アワード」である。出展社にエントリーを募り、優れた製品を顕彰するというアワード。創意と技術の向上と進化にそそぐ努力に光をあたえるものである。

 主催者を代表して大川原会長は、開催スタートの所感を述べた。

 本日はたいへんお忙しいところ経済産業省・農林水産省をはじめ、関係各省庁ならびに多くの皆様方にご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、今回のフーマジャパン2022は、現下の厳しい経済状況の中、出展各社をはじめ、本日ご来場の皆様のご支援とご協力により、874社と、過去最大の開催とすることができました。それも皆様の日ごろの努力と尽力の結果であり、感謝申し上げます。

 第45回となるこの展示会は、3年ぶりに、この東京ビッグサイトに戻ってまいりました。東展示1ホールから8ホール、すべてを使用し開催いたします。

 このフーマジャパン2022のテーマは、リスタートフーマです。この言葉にはいろいろなことが含まれておりますが、まずはここに戻ってきたこと、そして新しく2022年からスタートしようという意味が含まれております。

 食品ビジネスに関わる情報の処理量、商談の場、出展者プレゼンテーションセミナーをはじめ、豊富なセミナー、産学官交流のアカデミックプラザを開催しております。

 今回は新しい試みといたしまして、フーマアプリの導入、そして優れた開発成果を表彰するフーマアワードの創設をおこなっております。

 またオープンイノベーションの一環といたしまして、スタートアップゾーンを設け、この展示会価値を上げる試みもしております。このあとに、フーマアワードの表彰式を執り行いますが、次回以降も継続して実施いたしますので、皆様、ぜひ応募をお願いいたします。

 また、これはデザイナーにお願いしてつくった、フーマアワードのロゴマークです。F、フードという言葉が入っております。そしてナンバーワン、ということも含まれておるマークで、これを今後、フーマアワードの表彰に使っていきたいと存じます。

 今コロナ禍のなか、解決しなければいけない問題が数多くあります。脱プラスチック、食品ニーズの多様化、製造業の人手不足、原材料・物流費の高騰や、納期遅れなどもあり、大変な世の中になっております。

 それに加えまして、新型コロナ感染影響のDXに、進化することによりまして、リモートワークが浸透してまいりました。ライフスタイルが、大きく変わっております。新しい発想が求められるようになっております。この時代に、われわれは一つひとつ対応していくことが重要かと思っております。それを展示をとおして、われわれのソリューションを明確にし、皆様方にプレゼンをしていきたいと考えています。

 最後に4日間という短い期間ではありますが、フーマジャパンは、業界の技術を切り拓き、活力ある情報交流、技術交流、ビジネス交流、そして出展社の皆様のご期待にお応えするようなものになると確信しております。

FOOMAアワードのロゴの意味を説明する大川原会長

アワードのトップ2

 

 

第1回 FOOMAアワードの表彰。最優秀賞は前川製作所。

 

 

特別賞 レオン自動機。

自信に満ちた晴れやかな表情で記念写真におさまった

フーマアワード講評 審査委員長後藤芳一氏

 このアワードは、食品機械工業の振興と、それによりまして食品産業への寄与ということを目指して、つくられました。今年が初めての表彰でございました。

 昨年から制度設計をしまして、募集の結果、合計37件のご応募をいただきました。書面の審査と、それを通過した案件につきましては、動画も拝見して、最優秀賞を6件、その候補としてノミネートすることになりました。その中から最優秀賞を1件、特別賞1件、優秀賞4件。それに続きまして、審査委員会賞13件を選定いたしました。

 最優秀賞に選ばれました、前川製作所さんは、省力化、それから画像の認識、ロボットですとか、課題も盛り込み、最新の技術も含めて、これからの食品機械のあるべき方向というのを、指し示す模範となるような案件でした。

 次に特別賞に選ばれましたレオン自動機さんです。「火星人」といえば、業界の皆様はすべてお分かりと思いますが、長くお客様の発展に寄与してきました。それがさらに現在も、新しい先の技術で進んでおられるということから、今回、審査担当者で協議して、特別賞として選出をさせていただきました。

 今回が第1回目ということで、皆様の協力を得まして、今日に至ることができました。この賞が今後発展していくことで、食品機械工業と食品産業の発展に寄与できることだと思います。来年度以降も、ぜひこの賞をご利用いただき、賞とともに食品産業界が発展していきますことを期しております。

 結びに、この賞を支えご協力くださいました皆さま、応募された皆さま、皆々様に、感謝を申し上げまして、講評にかえさせていただきます。誠におめでとうございました。

栄えある第1回FOOMAアワードの受賞社たち‼

新設されたFOOMAアワードの表彰式は晴れやかな空気に包まれた。技術の業界はとかく縁の下の力持ちという存在だが、この日ばかりは檜舞台の主役。自信と誇り、喜びが…

審査委員会賞13社

優秀賞4社

乾杯 南常之展示会実行委員長

 ようやく3年ぶりに東京開催のフーマが始まりました。開催テーマであるリスタートにふさわしい展示会になることは、間違いありません。

 さて、私個人的な考え方として、変化にはチャンスしかないと思っております。2022年の大阪展示会中止、そして21年の愛知の展示会開催とこれらの二つの出来事は、フーマジャパンを見直すとてもよいきっかけになったと、考えております。ぜひこの変化をいかして、フーマジャパンをアジア最大級の国際食品工業展から、世界一の食品製造総合展に変えていきましょう。

 それでは乾杯に移りたいと思います。出展者、来場者のビジネスマッチング数が、過去最高を記録することならびに、世界一の食品製造総合展になることを確信して、かんぱーい!