夢を実現したレモン畑
国産レモン使用の『輪ぎりレモン』で、ドライフルーツの新たな地平を切り開いた南信州菓子工房が、大分県佐伯市のレモン農場で植栽記念式典を開催。原料の安定確保の農場である。当日、同社は県、地域から来賓39名を招き、新たな夢をスタートさせた。
大分県佐伯市の山間の休耕地が、レモン畑に代わる。南信州菓子工房のレモン栽培は、この地域に
とって何より嬉しい。記念式典で苗木を植樹する田中利明佐伯市市長(右)と木下裕亮社長(左)
快晴の3月15日、植栽記念式典に臨んだ木下裕亮社長の胸中には、特別な思いがあった。
ドライフルーツの革命といわれる『輪ぎりレモン』のヒットで、業界に名を知られるようになった南信州菓子工房。『輪ぎりレモン』が2014年に発売されるや、引く手あまたで、原材料の国産レモンの調達がたちまち厳しくなった。当時、瀬戸内レモンのブームもその困難に輪をかけた。
南信州菓子工房の発足の原点は農業の6次産業化である。品質ではなくキズや形などではねられる“B級品”を商品化して、農家の一助になりたいという思いだ。同社のある長野県南部は市田柿でも有名な地。その南信の地場産業である半生菓子メーカーに生まれた木下裕亮社長は、高齢化や山がちな耕地で育まれる果実に新たな価値を付与し、農家を助けたいと考えたのである
(続きは2022年春季特別号58頁へ)
この日までに植えた苗木は5,000本(予定8,000本)で全体量の約6割。収穫が始まるのは3年後。
生産見込みは200トンで、うち半数を原料とし、残りはJAや商社を通じ生食用として販売する
式典には田中市長、河野豊佐伯市議会議長、阿部晴彦大分県農水部参事、
藤田明弘全農県本部長、三浦堅二大分農協代表理事らが出席