岐阜県羽島市に本社を置くGSクリエイションズ(清水忠之社長)は、世界の高級食材と日本の飲食業界をつなぐ「架け橋になる」との理想の下、2019年に設立された若い企業。国内では珍しいタヒチ産高級天然バニラビーンズ(タヒチアンゴールド社)を取り扱う唯一の輸入代理店の権利を取得した。独自のネットワークを駆使し同社の事業を牽引する執行役員の今道康二氏(写真)の話を2回に分けてお届けする。今道氏は「バニラを使って新しいお菓子づくりに挑みたい」という夢をもつ。
バニラでお菓子業界に旋風を!
日本にない高級食材より豊かな食文化へ
――学生時代は中央大学のレスリング部で大活躍されたそうですね。
今道 大活躍とまではどうでしょうかね(笑)。ただ高校時代から競技をしていたこともあり、ためらうことなく入りました。オリンピックを本気でめざした時期もありましたが、ケガなどもあり断念しました。しかし、そこで培った「体力と根性」は私の財産でいまはとても役立っています。
――会社設立の趣旨や目的とは。
今道 飲食業界の傾向としていま大きな流れとなっているのが「素材感を大切にする本物志向」です。これが加速化しています。そうした中で、フレンチやイタリアンなどの洋食界をはじめ、和食や洋菓子店などすべてが、いわゆる妥協のない素材を使用するといったような「こだわりを大切にする」お店が増えてきています。他方、お客様からは栄養学的にもきちんと根拠があるのかなど確かな品質も求められています。そこで、当社は「世界各地の食材の中から確かなものだけを選び安全にお届けし、飲食店の皆さまのお力になりたい…」。そのような思いで会社を起こしたのです。
同社が取り扱うタヒチアンゴールド社のバニラビーンズ
噂は広まり「ルワンジュ東京」でも採用
――清水社長は地元で有名な不動産会社を経営されていますが、この世界ではまさにゼロからのスタートですね。
今道 このあたりが不思議というか社長である清水の強運というか、イタリアの高級食材を扱う商社との出会いがあったのです。そこから「何かビジネスが起こせる」という直感のようなものが湧いたのでしょう。託された身としては大きなプレッシャーの毎日ですが…(笑)。販路も何もないところからのスタートですから、とにかく「トライしてみよう、やってみよう」の連続です。
とはいえ最近では徐々に口コミなどで評判が伝わり、先日も「ルワンジュ東京」という超有名な洋菓子店で当社のタヒチアンバニラを使ってもらうことになりました。さらに先日京都で開かれた「アッチグスト」というイタリア料理の専門展に参加する機会に恵まれ、そこでもタヒチアンバニラを紹介させていただきました。このイベントは、有名な落合シェフや坂井シェフなどが中心となって開催されるもので、とても権威があります。
――後編は今道氏の「バニラバターづくりでお菓子の新しいジャンルを切り拓きたい」という夢について伺います。
(後編へ続く)