第5464号・初夏売れ筋特集号 総合メーカー編

再び「コロナ禍」に挑む夏が来る!

秋の本需要期へ繋げ! メーカーと卸の製品・販売施策

 梅雨から盛夏にかけてのお菓子業界の大きな課題は、この時期のお菓子消費の減退をいかに最小限に止めるか、だった。そこへ昨年から「コロナ禍」が加わった。「巣ごもり」「オン飲み」などの新需が生まれた一方で、ビジネス・行楽・インバウンドなどの人流に伴う需要が大きく損なわれた。全日本菓子協会(ANKA、太田栄二郎会長=森永製菓)の「令和2(2020)年菓子生産数量・生産金額及び小売金額推定」によれば、お菓子全体の生産数量は189万5204トン(前年比6.0%減)、生産金額は2兆3713億円(6.0%減)、小売金額は3兆2242億円(6・0%減)であり、マイナスを避けられなかった。反転攻勢。プラスへと転ずるには、高温多湿である日本の夏とコロナ禍という二つのハードルを飛び越え、お菓子本需要期である秋以降へバトンを繋げなくてならない。本特集では、流通菓子業界の両輪たるメーカーと卸の製品・販売施策を取り上げる。


森永製菓(初夏売れ筋特集より)

夏場に強いチョコと家族で楽しめる施策

 4月は母の日に向けたビスケット『ディア』、5月は50周年を迎えた『小枝』の社内コラボ製品をスポットで発売し、「枝」つながりでなにわ男子の道枝駿祐さんと動画コラボした「エ小枝検定」という、エコを楽しく学べるプロモーション展開を実施。

 6月は、6月10日「ミルクキャラメルの日」に合わせ、イメージキャラクターとしてターゲット層と親和性のある純烈を起用し、幅広いプロモーションを展開。ミニオンと大々的にコラボし、『ビスケットBミニオン〈プリン風味クリーム〉/P』『ミニオンハイチュウ』『ベイク〈ショコラ〉/大袋』『ハイチュウミニ』『ペッツ(容器)』を発売。

 なかでもイチ押しは『ベイク〈ショコラ〉』の小袋と大袋(写真)。外側がこんがり、中身はなめらかな食感が味わえる2層チョコで、手につかず、いつでもどこでも安心して楽しめる、夏場でも溶けにくい焼きチョコだ。元々『ベイク』はCVSをメインに女性向けの施策を掲げていたが、今回は子供向けとして、SMで母親が子供に買い与える需要を掘り起こす。ミニオンたちと一緒に、パッケージ上には「手が汚れない」ことをPRした可愛いイラストを配した。

 昨年の夏は、イエナカ需要での親子や友達が楽しみながら食べるお菓子の需要喚起が難しかったが、今年は子供向けのコラボで家族のコミュニケーションに協力できればと同社は語る。パッケージ表面に2択クイズを印刷し、正解の扉を開けると食べられる『ひやひやチョコボール〈クリームソーダ味〉』もその一つ。定番『チョコボール』のパッケージにはQRコードを加え、読み込むと特設サイトへ飛び、チョコレート工場を舞台にしたゲームが楽しめる。

 人気アニメ「呪術廻戦」とコラボした、かつてのチョコフレークとは異なるハード食感の『ゴリゴリチョコフレーク』を6月下旬に発売する。