今年も全国100カ所の「子ども食堂」に寄贈
油菓子やかりんとうメーカーなどで構成する全国油菓工業協同組合(理事長、西村久・東京カリント顧問)は11月10日の「かりんとうの日」を迎えるにあたって、今年も全国100カ所の「子ども食堂」にかりんとうを寄贈する。2年前から本格的に始まったこのプロジェクトは社会的に大きな反響を呼び、同組合では「大切な使命を帯びた継続すべき社会貢献」に位置づける。
かりんとうって甘くて美味しいな!(都内練馬区の楽膳倶楽部)
近年、家庭内におけるさまざまな理由から家族一緒にご飯を食べられない、いわゆる「孤食」を余儀なくされる子どもが増えている。その解決のため政府は2014年に「子ども貧困対策法」を制定。それを受けて民間NPO法人を中心に全国各地で「子ども食堂」が作られ運営されている。その数は年々増え続けており現在、全国で4000カ所近くあるという。
4年前に全国こども食堂支援センターが調べたところ、319カ所だったのが、わずか4年間で10倍以上に増えた。子どもの貧困解決の根本対策にはならないにせよ、食堂が寂しい思いをしている子どもたちにとって、人の温もりや愛情を感じることのできる「唯一無二の居場所」であることには間違いなく、それが広がりの要因だろう。
組合で同プロジェクトの事務方を務める中野製菓(都内板橋区)の中野万博社長は「普通の食事とは別に、楽しいひと時を膨らませてくれるツールとして『甘くて美味しいおやつ』の存在は絶対に必要です。かりんとうを頬張ってもらい、少しでも子供たちに元気を与えられたら嬉しいです。スナックやチョコレートとは違う伝統菓子であるかりんとうの美味しさに気づいてくれたら、なおのこと嬉しい」と話す。
今年も全国の会員企業18社が全面協力。全国をブロックに分け、最寄りのメーカーが寄贈の申し込みのあった「子ども食堂」に自社のかりんとうを贈る。種類や数量は各社ごとの自主判断だが、すべての子どもたちに行き渡るように寄り添う。全国100カ所の子ども食堂に合計7645個のかりんとうを贈る。
11月10日が「かりんとうの日」なのは棒状の形を数字の「11」で表し、砂糖の糖を「10」になぞらえた語呂合わせから。奈良・平安時代から続くかりんとうの美味しさを現代人すべてに知ってもらい、その消費拡大を図ることが目的だ。日本記念日協会公認でもある。
寄贈した組合の協力メーカー18社(順不同)
①浜塚製菓(北海道)
②オタル製菓(北海道)
③ミヤト製菓(茨城県)
④米持製菓(長野県)
⑤東京カリント(東京都)
⑥金崎製菓(埼玉県)
⑦山脇製菓(東京都)
⑧旭製菓(東京都)
⑨大花堂製菓(千葉県)
⑩中谷製菓(東京都)
⑪中野製菓(東京都)
⑫夏目製菓(愛知県)
⑬山田製菓(愛知県)
⑭岡部製菓(大阪府)
⑮常盤堂製菓(兵庫県)
⑯しんこう(福岡県)
⑰フジバンビ(熊本県)
⑱天龍堂製菓(福岡県)