秋田諸越製造元の斉藤製菓(秋田県秋田市、斉藤稔代表・秋田県菓子工業組合専務理事)では、従来の諸越を抜本的に見直し、現代風にイメージチェンジを図った諸越『えだもろ』(写真左、10個入り、上代350円)と『さくっともろこし』(写真右、2個入り、上代200円)を新発売。
今から三百年以上前に「諸々の菓子を超えた美味しさ」(久保田藩第4代藩主佐竹義格)と評されたのが品名の由来とされる秋田銘菓『諸越(もろこし)』であるが、近年、消費者の高齢化や健康志向の高まりなどから、諸越特有の硬さと糖質が課題となっている。
斉藤代表は、「従来の諸越だと高齢者には硬い。諸越の新境地を開くことが伝統菓子を守る要である」との信念で新たな方向性を見出したのが前述の2製品。
『えだもろ』は、クランチ風の諸越に胡麻入りホワイトチョコレートをコーティングしたもので、サクッとした食感と風味豊かな胡麻の味わいを演出。
「昨年度、京浜地区中央卸売市場への秋田県産枝豆の出荷量が初めて日本一になった。これを契機に、秋田公立美術大学とコラボ開発した製品を更に改良したのが『えだもろ』(枝豆の「えだ」と諸越の「もろ」)である。枝豆の青色を活かし、見た目も新しい諸越を完成させた」(同)と『えだもろ』の誕生秘話を語った。
『さくっともろこし』は、諸越の原料を最中の皮(箱状)に詰めたもので、口の中でとろける優しい食感と諸越本来の味を楽しめるのが特徴である。
いずれも、国内産原料を使い、優しい食感と低カロリー(1個当たり18㎉)を訴求した製品で、幼児から高齢者まで安心して苦も無く楽しめる仕上がりになっており、まさに“諸越の革命児”といえる。
「これからも、消費者のニーズに合わせた製品づくりに努めたい」(同)と話す一方で、原料を一つ一つ型枠にはめて成型するなど、手間暇のかかる伝統的手法を頑なに守り続けているのが斉藤製菓である。