業界リーダーの新ビジョン 全国米菓工業組合 栗山敏昭理事長(㈱ 栗山米菓 代表取締役社長)に聞く =前編=

 今年5月、「新型コロナウイルス感染症」拡大により、書面開催を余儀なくされた全米工総代会及び新役員を選出する理事会で理事長に就任した。組合の在り方を“ゼロベース”から見直す改革に取り組んだ、槇春夫前理事長からバトンを受け継ぐ形だ。新執行部をリードするにあたり、「微力ではありますが、我が国米菓業界の一層の発展に尽力して参る所存でございます」と所信を示したニューリーダーに課題と抱負を聞いた。(全2回)

まずは組合員の把握から

 

 —理事長就任おめでとうございます。就任間もないのですが、抱負についてお聞きします。

 栗山 ありがとうございます。当組合のメンバー企業は現在、322社です。

 流通メーカーはもちろん、対面販売を専門としている企業もあれば、生地製造を専門としている企業も。お米を原料とした加工食品である「あられ・おせんべい」の製造・販売に関わる、様々な業者の方々で組織されています。

 組合員はそれぞれ目的を持って加入しているわけですが、流通ルートメインでやってきた私はそれを全て把握しているわけではありません。

 だから、まずは組合員について知ることから始めたいですね。

 —歴史を繙くと、1942年(昭和17年)から1995年(平成7年)まで続いた食糧管理法によるお米の統制に苦労していた全国の米菓関連企業が原料米を確保するため、1962年(昭和37年)に設立したのが貴組合ですね。

 栗山 そうした歴史的背景もあり当組合はこれまで、米菓の主原料であるお米の共同購買事業を中心に運営してきました。

 組合員の原料調達という意味では、非常に存在意義が大きかったと思います。

 しかし、食糧管理法が廃止され、現代では企業は自由にお米を調達できるようになっています。原料調達がメイン事業でなくなった全米工は何の為の組合なのか、〝時代”から問われているのが現状です。

 組合員が組合に何を期待しているのか。予算を考慮しながらその期待にどう応えていくのか。コロナ禍の中、新役員の皆さんと意見交換も思うように出来ない状況に在りますが、任期最初の1年間で私なりにまとめたいと考えています。

(続く)

 

次号・後編=前期からの組織改革は継続