南信州菓子工房、ファンの要望と「旬」のおいしさ

 ドライフルーツの常識を変えた『輪切りレモン』の発売から6年。

 輪切りにしたレモンの房の輪郭を残し、しっとり&柔らかな食感と、フルーティーな味わいは画期的だった。

半生菓子の糖蜜の技術と含侵製法によるそのおいしさの魅力は、発売後、口コミで広がり、多くのファンを獲得。虜になったファンの多くが、箱買いするブレイクを巻き起こし今日に至る。

 9月14日に発売(21日に全国発売)された『輪切りレモン レモネード味』(写真、24g、参考小売価格188円・税別)は、そうしたファンからのリクエストに応えた〝やさしい味わい〟の製品だである。

 「お客様から〝子供が食べやすい〟モノを作って欲しい、という声が以前からあって、そのリクエストに応えたモノです。そもそも『輪切りレモン』は、フルーティーな酸味とピールのナチュラルな苦みが特徴ですが、小さなお子さんには苦みが強いと」(木下裕亮社長)

 そこで注目したのが最近トレンドになりそうな、レモネードだった。フルーツのおいしさとまろやかな甘みは、冷やしてもよいが、寒い季節のホットは格別なアイテム。同社では、その味わいの再現に〝蜂蜜〟を採用し、リクエストに応えたのである。

 「こうしたお客様の声に寄り添う発想から、季節に応じたおいしさを提供することを考え、この夏に〝塩〟にフォーカスした『輪切り塩レモン』『ひとくち果実塩うめ』をリリースした。その季節ならではおいしさ。旬の〝一番のおいしさ〟の提供も今後は強化していく」と、木下社長。

栽培や調達方法の改良から、今では年間通して店頭に並ぶ野菜や果物だが、本当のおいしさは〝旬〟にある。農業の6次化からスタートした南信州菓子工房の、企業としての進化といえるいえそうだ。