継往開来~堂本製菓編の最終回は、正也副社長が入社するきっかけと堂本製菓の新しい「未来予想図」をどう描くのか。思いの丈をきいた。(全3回)
人さまへの感謝で気づく堂本の強み
本紙 入社されるまではスノーボードに夢中になっていたそうですね。
堂本正也副社長(以下副社長) 埼玉県代表になったこともあります。しかし、当時の私は確固たる人生目標もなくて、まるで浮世離れした「ふわふわ」した青春を送っていました。
――それがどのようなきっかけで会社の方に意識が向くように?
副社長 2012年の工場火災ですね。復旧にあたっては多くの方が支えてくれました。特に地元のJリーグチーム、川崎フロンターレのサポーターが駆けつけて何度も助けてくれました。私は生まれて初めて人々の「情け」というものに心を打たれたと同時に「堂本製菓がいかに地元の人たちに愛されている会社なのか」を実感したのです。
この気づきは私の人生を大きく変える決定的インパクトとなりました。そして「自由気ままな生き方はもう辞めよう」と一大決心します。そして母には「継ぐよ」とは言わず「仕事用のデスクを買って」とねだりました。それをオフィスの片隅に置き、その日から堂本製菓の「未来予想図」を描くことに没頭します。それから数年間は店舗設計から生産現場に至るすべてを経験しました。工場では朝から晩まで無我夢中に働きました…
【続きは5457号8面へ】
▲堂本典希社長を支える息子の正也副社長(写真左)
〈どうもと・まさや〉
1985年(昭和60年)生まれ。小学生の時、祖父で三代目の清一氏から「人は人。必要とされる動きこそが大事」との人生哲学を諭される。経営者としてその言葉が心に染み入る毎日。