9割の企業がマイナス影響
東京商工リサーチは、全上場企業を対象に「暖冬」の影響・対応を調査した。調査は、国内の各証券取引所に株式上場する企業を対象に、1月1日〜2月25日の適時開示資料をもとに情報を収集、調査した。
記録的な暖冬がジワジワと上場企業の業績に影響を与えており、2019年10月の消費増税による消費マインド悪化とのダブルパンチで、暖冬の影響は広範囲に及んでいる。
今後は暖冬に加え、新型コロナウイルスの感染拡大でイベント中止が広がり、消費の冷え込みに拍車をかけることが危惧され、業績への影響がさらに広がる可能性も出てきた。
2月25日現在、「暖冬」関連による影響や対応について情報開示した上場企業は159社。うち、「マイナスの影響がある」は144社(構成比90.5%)と9割にのぼった。
144社を業種別でみると、トップは製造業で56社と約4割(構成比38.8%)を占めた。次いで小売業46社、卸売業26社、運輸業8社と続く。
159社のうち、30社(構成比18.8%)が業績予想を修正(見込み含む)。このうち28社が、売上高や利益の減少など業績へのマイナス影響を挙げた。28社の業種別は、最多が製造業の13社、次いで小売業11社、卸売業4社。
食料品は、5社がマイナスの影響を開示した。井村屋グループは、業績予想を下方修正。冬場に需要が伸びる肉まん・あんまん等の点心販売が伸び悩んだ。温かいドリンク類の需要も低調だった。サッポロホールディングスは、連結子会社のポッカサッポロフード&ビバレッジが販売するスープ『じっくりコトコト』シリーズが苦戦。名糖産業は、暖冬で飲料用の粉末ココア販売が苦戦した。