「新・製品開発」のコンセプト 湖池屋

『罪なきからあげ』<後編>

歴史の扉を開いた新感覚のスナック

 

 本紙 湖池屋としてもこれまでにない大胆な挑戦といえるこの『罪なきからあげ』ですが、開発にあたってはいろいろと苦労されたのでは。

 新井 開発という仕事は常に苦労の連続だと思っているので「苦労したなぁ」という認識はないですね。それよりも、思い知らされたことがありました。それは唐揚げがあまりにも定着しすぎて、全国どこにもあるものだったことです。地方によって味付けが異なるし好みも違う。ましてや家庭の味となるとそれこそ千差万別です。いったいどれを基準にすればよいのかはとても迷いましたね。とはいえ開発担当者の方たちが懸命に考えてくれたお陰で、いまの味にたどり着いたわけです。

 また、我々は最初から「フェイク」(代替肉)を狙って突き進んできたわけではありません。そもそもフェイクと分かっていたら初めから「本物を食べればいい」ということになります。あくまで新しい食の選択肢として楽しさを追求したい。その軸だけはぶれずにいこうと決めていました。新製品を食べていただいた皆さんが笑顔に包まれる姿を想像しながら開発してきました。

 ――そのほかに開発のポイントとなったものはありますか。

 新井 こだわったのは食感がもたらす美味しさです。ここに工夫を凝らしました。唐揚げの美味しさは、まさにジューシーでサクサクしたあの食感が重要な要素の一つだと思っています。喫食シーンのイメージとして、我々の脳裏に浮かんだのは「おにぎりにも良し、お酒やビールのおつまみにも良し」という点でした。ここについては、スナックメーカーとしてのノウハウを徹底的に駆使しました…  

【続きは5441号8面へ】

写真・マーケティング本部 マーケティング部  第2課 新井美彩課長