シリーズ継往開来 旭製菓 特別編

「伝統と革新」強い企業へ

 本紙 社長の「かりんとう愛」の強さは業界でもよく知られています。

 社長 私から「かりんとう」を取ったら、何も残りませんよ(笑)。若い時からそれこそ無我夢中で「美味しいかりんとうづくり」を追い求めてきて、たくさんの汗と涙をかいてきました。その汗と涙は私の勲章であり誇りです。ただし今回の『まろ蜜』新開発と発売を機に、そろそろ潮時かなと感じたのです。

 ――それはどういう理由からでしょう。

 社長 かりんとう自体は日本の誇る伝統菓子であるし、当社の製品についてもそうした自負を込めて真心で作ってきました。しかし「かりんとうの灯」を新しい時代に向けて燈し続けていくためには、私のようなオールドな人間よりも副社長のような新しい人間の方がふさわしいと思ったからです。実際、今回の『まろ蜜』開発に至るまでを振り返ると、副社長の「成長」をつぶさに感じ、これなら後を託すことができると確信しました。

 ――あとを託された副社長の「覚悟」とは?

 副社長 会社が危機的な状況に陥ることが起きたとしても、絶対に逃げ出さず解決するという覚悟はできています。

 ――米国の大学(南加大)留学で学んだことは。

 副社長 それは「一夜では何事も成し遂げられない。コツコツと物事を進めていくこと」です。その重要性を強烈に学びました。

 ――それは今回の『まろ蜜』開発にあたっても活かされたと。

 副社長 『まろ蜜』はオール旭製菓のチカラの結晶だということです。特に開発部と営業部のメンバーが「旭製菓の新しい看板となる本格的な『黒糖かりんとう』を作りたい」という彼らの夢から今回の開発ストーリーが始まりました…

【続きは5440号8面へ】

初代 守下𠮷太郎