トップはかく語りき カンロ代表取締役社長・三須和泰 氏インタビュー

連載①(全3回)

 大正元年創業のキャンデー老舗・カンロ(都内新宿区、三須和泰社長)のスローガンは、「糖から未来をつくる」だ。“糖質制限”が健康トレンドとしてフォーカスされている昨今においても、「糖と歩む企業」としてお菓子業界を力強く牽引している。その“百年の計”を三須社長に伺った。 

 まず“社風の一新”に取組む

 

 2016年3月、三菱商事出身の三須和泰氏がカンロの社長に就任した。翌年11月、コーポレートアイデンディティを40年ぶりに刷新。「カンロは、糖から未来をつくり、世界中の人を笑顔にするキャンディ№1企業になる」を長期ビジョンに掲げた。

 「〝糖から未来をつくる。〟と宣言した時、お菓子業界に関わる多くの方々が歓迎してくれた。“よく言ってくれた!”と。非常に心強かった」と三須氏は振り返る。

 カンロの創業は1912年(大正元年)、宮本政一氏が19歳の時に山口県光市に「宮本製菓所」を開業したことに遡る。当初は焼菓子や和菓子を販売していた。1955(昭和30)年、砂糖と水飴に醤油を配合した『カンロ飴』(1955年発売)がブレーク、社名を「カンロ」に変更した(1960年)。

 現在もキャンデーに軸足を置いており、『健康のど梅飴』『ピュレグミ』『金のミルク』等のラインアップで、売上の9割以上をキャンデーが占める。

 「糖と歩む企業」の目標は、2037年までに「国内売上を3倍」「海外の売上比率を50%に引上げ」ること。陣頭指揮をとる三須氏は、前職での経験を踏まえつつ、百年企業の飛躍的な成長を目指している…

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三須  和泰(みす  かずやす)氏

昭和32年2月28日生まれ。静岡県出身。昭和54年3月=一橋大学商学部卒業、昭和54年4月=三菱商事入社、食料管理部、昭和60年8月=食品第二部、平成4年2月=英国三菱商事会社、平成9年8月=三菱商事食品原料部、平成16年4月=食品本部加工食品第三ユニットマネージャー、平成18年4月=生活産業グループCEOオフィス室長代行、平成20年4月=生活産業グループCEOオフィス室長、平成21年4月=食品本部長兼酪農食品ユニットマネージャー、平成23年4月=執行役員就任、中国生活産業グループ統括、平成26年4月=三菱商事 海外市場本部長就任、平成28年3月=カンロ代表取締役社長就任。