「新・製品開発」のコンセプト 連載6
ブルボンは今年3月、栄養機能食品のチョコレート『カカオサプリマルチビタミン』と『カカオサプリ鉄』の2品(各47g・希望小売価格150円)を発売した。同社がチョコレート事業に参入したのは1982年。以来、新たな価値の提案を積極的に行ってきた。『カカオサプリ』では、「働くあなたにチョコっとプラス」で健康ニーズにアプローチする。(河部/石水)
『カカオサプリ』
栄養機能をチョコにプラス
「当社はチョコレートでは後発になりますが、ビスケットではトップメーカー。その強みは、ビスケットとチョコレートのコンビネーションで特に発揮できています。その象徴が『アルフォート』ですね」と話すのは、第一製品開発部チョコレート開発課・佐々木重和課長だ。
『アルフォート』(1994年発売)と並び大きな柱となっているのが『ハイショコラ』(1989年発売)。個包装のシェルチョコをリーズナブルな価格で提供。近年では、専門店で人気のトリュフタイプもラインナップに加えて、好評を博している。
2010年に日本食糧新聞社「食品ヒット大賞」で優秀ヒット賞を受賞した『アーモンドラッシュ』は、チョコレートと素材の掛け合わせで、板チョコカテゴリーに挑戦したブランドだ。
同社がチョコレートのバリエーションを広げる一方、2006年前後にハイカカオ・ブームが到来した。「当社もハイカカオにチャレンジしました」(佐々木氏)。
2014年頃、再びハイカカオ・ブームが起こる。チョコレートの健康機能の認知が高まり、巷では「カカオ=健康」というマインドが一般に定着した。それが追い風となり、市場が一気に拡大した。
「その中でどう戦っていくのかを社内で検討し、ハイカカオだけではなく、切り口を変えていこうということで開発したのが『ハイショコラボーテ』(2015年発売)でした。味にクセがあって食べづらい。そんなハイカカオのネガティブな部分の解消に努めました」(佐々木氏)。
『ハイショコラボーテ』では、コスメオイルとして注目されているマカダミアナッツやココナッツ等のオイルと、ハイカカオチョコレートを組み合わせた。「美容にいい」と女性誌にも取り上げられたが…
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