和の素材(玄米と大豆)でパン革命!
1947年(昭和22年)の創業以来、磨き上げてきた米の粉砕技術をベースに「米粉の未来」を切り拓いてきた群馬製粉。研ぎ澄まされた微粒のハイテク技術と徹底したこだわりの職人魂との融合で、和菓子や洋菓子・パンの分野で「食の新しいステージ」を常に創出してきた。その群馬製粉がこのほど、パン業界に衝撃をもたらす「和の素材」を使ったパン専用の粉を開発した。新製品の特徴や同社のこれからを追ってみた。
たゆまぬ技術革新への挑戦 ブルーオーシャン戦略の源泉に
数々の独創的な製品を世に送り出してきた群馬製粉。その中でも特筆されるものといえば、それは2003年に開発した『リ ファリーヌ』といえるだろう。これは洋菓子業界に「革命を起こした」とされる製菓用の米粉で、同社の歴史を飾るまさにエポックメーキングな製品となった。その高い品質は2009年「フードアクション・ニッポンアワード」研究開発・新技術部門優秀賞を受賞したことで証明された。それまで不可能とされてきた小麦粉(薄力粉)の代替品として、いまではシフォンやスポンジなどの洋菓子で広く使われている。
そして同社の「和の素材」シリーズとして、このほどパンに特化した2つの強力なラインアップが新たに加わった。どちらも「パン業界に衝撃を与える」ほどのインパクトの強いパン専用粉だ。
一つは国産うるち玄米焙煎粉の『リ コンプレ』(写真右)だ。吸水率が抜群に高く、水と混ぜて使用すると焼成後の食感がとても滑らかになるのが特徴。香りが豊かで、パンだけでなくクッキーなどの焼菓子にも最適。そば粉の焼き菓子も、この粉の置き換えで美味しく作れる。
もう一つが『ソジャ エリタージュ』(写真左)である。こちらは大豆を直火焙煎した粉で、色味や香りがとても強く出る。生地に練り込むとパン焼成後の香りと風味が豊かに残るのが特徴。他の素材との相性も良く、たとえば「街のパン屋さん」の定番商品で使うあんこやヨーグルトに混ぜることで大きな変化をつけることもできる。
新製品開発へのきっかけとなったのは、一人のパン職人の存在だ。群馬県高崎市内でベーカリー「コム・ン」を営む大澤秀一さん、その人である。大澤さんは2年に一度、フランスで開かれる「モンディアル・デュ・パン」の国内選考大会で優勝、この10月に日本代表として出場する。同大会は世界で最も権威の高いパンのコンクールで「飾りパンの達人」大澤さんは大会の有力な優勝候補の一人とされる…
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