夢をカタチに未来をつなぐファクトリーへ
待望の阿南工場、いよいよ本格稼働スタート!
南信州菓子工房
国産ドライフルーツでトップシェアをひた走る南信州菓子工房の快進撃が止まらない。今年3月末決算期の数字では、目標の売上高12億円を大きく超えて14億円に迫る伸びをみせた。前期の売上が9.5億円。いかにその伸長度が高いかが分かる。創業からわずか7年。まさに破竹の勢いだ。しかし、そうした中で、木下裕亮社長はいたって冷静だ。浮かれることなく、次なる飛躍へ向けて着々と準備を整えている。昨年秋に本格稼働をし始めた阿南工場の紹介とともに、木下社長の新ビジョンを伝える。
【阿南工場】 ここではサツマイモやカボチャ、栗など加熱することで美味しさが増す農産物の加工がメインとなる。蜜漬けしない果実そのままのフルーツチップスの製造も担う。敷地面積は約6664平方メートル。延べ床面積は約3898平方メートルを誇る
三方良しの経営軸に野菜カテゴリー拡大
本誌 人気の『ドライフルーツ』ですが、今春からパッケージデザインを新しくしましたね。
木下 『ドライフルーツ』は若い女性に人気が高いので、それを意識したデザインに変更しました。ロゴもイラストも柔らかい印象です。やはり手に取ってもらわないと何も始まらないのでデザインはとても重要です。
インスタ映えも狙っています。いわゆる「パケ買い」もしてほしいですね。実際、セブンイレブンでの『はっさく』を比べると、旧デザインと新デザインとでは売れ行きに大きな差が出ました。
―『さつまいもグラッセ』も好調ですね。いままで果実を中心としてきたのが、カテゴリーを広げていこうという意欲を感じます。
木下 果物だけに特化するのではなく、野菜にも手を広げていくことにしました。その第一弾が『さつまいもグラッセ』で、幸い売れ行きが良くて手応えを感じたので、この先も野菜アイテムを増やしていきたいと考えています。
その一つとして、いま『かぼちゃグラッセ』を試作中です。野菜シリーズが軌道に乗れば、季節を問わず、通年で波の少ない稼働になります。今秋には商品化したいと準備中です。
―本来、南信州菓子工房は農家の収入アップの目的から「B級品」の農産物を商品化しています。農家の収入増イコール地域貢献の意味で、まさに「三方良し」です。これがそもそもの起業のコンセプトでしたね…
【続きは2019春季特別号86頁へ】