長寿時代に健康訴求の強力素材 長岡香料

食は人間にとって最大の楽しみの1つ。しかしダイエット目的や疾病のため、お菓子を代表とする砂糖を含む食品の摂取を制限すると“おいしさ”に欠けてフラストレーションを抱える食生活になる恐れがある。長岡香料は、砂糖を構成する糖質の半分を占める果糖(フルクトース)の小腸での吸収を抑制する機能を持った健康食品素材『ユーカグランジン』を開発し、販売を進めている。

同社がユーカリの葉に注目したのは20年前。大学と共同研究を進めたところ、ユーカリ葉に含まれるポリフェノールが果糖の小腸での吸収を阻害するという、ユニークな特性を持つことが分かった。同社技術開発研究所の杉本圭一郎博士(写真)は「それまでにブドウ糖(グルコース)の吸収や消化酵素の働きを阻害する物質は多数報告されていたが、果糖に関しては、医薬品を含めて全くなかった」と語る。

 その後、時間をかけてヒトへの有効性や安全性のテストを重ねるとともに、同社は日本・米国・中国で特許を取得した。果糖はコーンシロップ、果物、はちみつなどに含まれる単糖で、我われにとって身近なエネルギー源だ。体内に入った果糖のほとんどは肝臓で代謝されるため、かつて血糖値が上がり難い糖として、栄養学者が推奨していた時代があったが、現代では逆に果糖の過剰摂取は糖尿病、高血圧、肥満になるリスクを高めると言われている。また果糖は体内でタンパク質の糖化(グリケーション)を進めやすいと言われている。グリケーションは老化物質を作り出す。これが全身の老化を進める。「当社が開発したユーカリ葉ポリフェノール『ユーカグランジン』は果糖が吸収されるのを阻害するわけだから抗グリケーション作用、肥満防止、内臓脂肪蓄積抑制、脂肪肝抑制、血中中性脂肪低下作用などの効果が期待される」と杉本氏…。

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